MotoGP 2004 第5戦 スペインカタルーニャGP

相変わらず爆竹の轟くスペインカタルーニャは晴天ドライコンディションで行われた。
玉田誠ロケットスタートから始まった決勝は,徐々にいつものヴァレンティーノ・ロッシ*セテという構図に落ち着き始める。好調とも不調ともいえなかったマックス・ビアッジはずるずると遅れだし,好調マルコ・メランドリ玉田誠に追い回される。また後方からいよいよ来たか,という感でアレッサンドロ・バロスが一気に3位まで上がるが,高速コーナーで突如スリップダウン,絶好の機会を逃す。前後の挙動もない突然のスリップであったが,ギリギリのバンク中に前後タイヤが同時にスリップしてしまったのだろうか。バロスがこのまま追い上げれば,展開は違っていたかもしれない,惜しい。
玉田はビアッジの真後ろにつけていたが,一度何かがあって1秒近く離れた。しかしその後数週で追いつき,ラップタイムペースの違いをはっきりさせた。だが,ビアッジをパスしたかしないかというところでいきなりピットイン,またしてもリアタイヤのバイブレーションがひどくなったらしく,そのままリタイヤとなってしまう。
今回中継ではあまり中段が映らず,後方の展開はわかりにくかったが,予選から好調の03年型ドゥカティルーベン・チャウスが好調で5・6位前後を走行していたのが印象的だった。
中盤から後半にかけて,ビアッジがずるずると遅れ(リアタイヤが原因のチャタリングでどうしようもなかったらしい),変わってこちらもホーム,カルロス・チェカが上がってくる。ヤまたもマハの1.3.4位と,昨今では信じられないような躍進が目立つ。特にメランドリの速さは今年の驚きとして際立っている。解説していた難波氏のダイスキなキーワード,腕上がりが解消されれば後半の粘り弱さもなくなり,表彰台の常連となる可能性もある。
ところでこちらもブリジストンタイヤ,スズキGSV-Rのケニー・ロバーツはピットインしてリアタイヤを交換していた。玉田もなぜリアタイヤを交換しないのかという疑問を感じながら見ていたところ,トップの映像にKRがうつる。周回遅れになったが,KRは後ろについて離れない。これはもちろんバトルでダレダレになったタイヤの二人と,フレッシュタイヤを履いていたKRの違いであり,なんてことはないのだが,ブリジストン勢のタイヤさえ持ってくれれば,近い将来周回遅れではなく,玉田とKR,またはジョンホプキンスが上位に絡んでくることを夢想してしまう。ここに川崎も絡んでくれば最高,と思っていたところ,終盤,映像ではまったく追わないものの,5位以下の中段が激しいバトルを繰り広げていた。筆者注目のコーリン・エドワーズが5位まで浮上,下がったビアッジ,中野真矢ルーベン・チャウスらとやり合っている。最終的には中野は7位と大健闘,カワサキとともにライダーの評価を大幅に上げた。ん,ノリックもいた,その後ろの9位。青木宣篤さんのHPがまたしても早くも更新してる。相変わらず状況がきわめて厳しい中,それでも15位はすばらしい。
そして注目のトップ争いは,中盤,ロッシがセテの後ろについてタイヤとマシンを温存しつつ,真後ろに付き続けてプレッシャーを与えて来た効果が如実に現れ,あれだけ圧倒的にマシンの好調だったセテの力は徐々にそがれていっていた。それがミスにつながり,タイヤの消費につながる。残り2ラップの1コーナー,ロッシの鬼ブレーキが炸裂,トップスピードで圧倒するセテのもっとも有利なストレートエンドでのマージンをごっそり削る。2ラップということは,最終ラップで勝負に出る,というのよりはかなり余力があり,セテから逃げられると踏んでのアタックだろう。しかし,セテもラストラップで負けず劣らずの鬼ブレーキングで一気に差を詰める。だが,やはりここまでに至る戦いの中で築いたマージンは大きかった。最終コーナー立ち上がりでは,MotoGPでもここまでアクセルを開けられるのか!!と思わせるセテの限界アクセルワイドオープンでも届かず,ロッシの逃げ切り(あれだけ暴れさせればトラクションもかからないが)。完全にマシンでは上を行っていたセテが,戦略とテクニックでロッシに完敗したという,昨年もよくみられた光景となった。ロッシ,まさに圧倒。昨年はロッシを先に行かせる駆け引きなどをしていたセテだが,今回はずっと先行していたように見えた。あるいは,後半で二度ほどコーナリングミスではらみ,ロッシが抜くシーンがあったが,あれは意図的なものだったのだろうか。どちらにせよロッシにうまくいなされてしまった感じだ。
今年も戦いは既に,2強に絞られた感がある。マックスはこのまま沈むのか,あるいは新進著しいメランドリ,玉田。あるいは復活のバロス,KRが来るのか。いずれにしても今年のMotoGPは過去最高の戦いを見せている。このままロッシを独走させずに混戦になることを期待している。

とかちょっとだけまともに書いてみちゃったりすると疲れるなぁ。
250のラストラップ,ペドロサがインから突撃されて2位に。けどペドロサだから,チャンピオンシップを考えれば2位でも別にいいのかもしれない。

みんな,ノリックについてはコメントなしだ。。レイニーも(^^ゞ

本人も,過去最悪らしい。