第4戦 フランスGP ル・マン

 ケーシーの独走より目立ってしまったのが、このレースの主役となったシモンチェリ。
 ロレンゾと物議をかもして注目された直後に、自分の所属するメーカーのエースライダーに対して「ドアを閉めて」しまい、転倒させて鎖骨を折り、しかも自分で「レーシングアクシデント」として反省もしていない、という殆ど最悪の事態に。
 恐らくは、ダニは完全に抜いていたた後にイン側を締め、若干ブレーキが早まったところ、アウト側からシモンチェリがかぶせて、ダニの走行ラインをふさいでしまったように見えました。
 これが他の、通常はクリーンな走りのライダーであれば、これはレーシングアクシデントで済ませられるかもしれない事故です。ただ、ここまでの行い、このタイミングであるためか、今回はライドスルーペナルティを受けました。
 
 相手の走行の邪魔をするようなオーバーテイクは、美しくはありませんが、有用な戦法と思います。ただし、相手の行き場所を無くさせ、挙句接触、更に転倒、更に怪我をさせるようなことは、絶対にあってはいけません。その先には、更に重大な事故もあり、考えたくもありません。
 過去、シモンチェリは、接触レベルを繰り返してきましたから、いつ相手を怪我させてもおかしくない状態でした。これは超一流の、ロッシが行っているような、本当の一線を超えないギリギリのテクニックとして、絶対に相手を怪我させないと本気で思えるようなレベルであれば、問題は無いと思います(ここまでのロッシの長いキャリアで危ないシーンは数多くありましたが、事故で相手を怪我をさせるようなことは、明らかな過失以外はほとんど無かったように思います)。シモンチェリは、今回の結果から一線を超えてしまったのだと思います。怪我をさせるつもりは無かったとしても、結果怪我をさせてしまうことに繋がるかもしれないとは分かっていたはずで、結果この事故では「故意」と変わらないと考えます。
 4輪などと比べたら生身をさらす2輪は重大な事故につながりやすく、また125ccクラスなどでは、この程度の接触は実際当たり前に近いことも分かりますが、MotoGPクラスでは速度も重量も125ccと比べて高く、危険度はかなり上がります。
 トップカテゴリーライダーとしてのプライドも含めて、またMotoGPと言う競技全体の為に、本当に考えてほしいです。
 また、ここまでバルベラやシモンチェリ、「場合によっては」ロッシなども、相手がひけなかった場合に重大な事故につながりそうなオーバーテイクをくりかえしていますが、それをここまで放置していた運営側には再発防止策を考えてほしいですし、選手たちも安全を考えるのであれば、個人・組織でもかまわないのでこの問題についてもっと積極的に介入するべきだと思います。いつかそのせいで取り返しのつかない事故が起きた時、それはもう競技ではなくなってしまいます。
 個人的には、シモンチェリはもしダニが出場できないようなら、同じだけの出場停止処分、というのが妥当だと思ったりもします。そして更に繰り返すようであれば、それはもうレースではなくなってしまうので、追放も考えるべきだと思います。
 さて、DORNAHRCの対応は、どうなりますか(多分なにもないでしょうけれど)。そしてシモンチェリが反省するかどうか。

 全く反省していないようす。これで、自分のミスで申し訳ない、と言っているなら、「過失」として問題は収まるのですが…。

 プーチさんの意見は極めて正当だと思います。問題は今回の事故ではなく、ここまでの素行と、今後も改善しそうにないと言うシモンチェリの意思・状況にあります。
 事故対策は、2輪レースの最も克服しなければならない課題だと思います。
 重大事故が起こってからでは遅いのです。
 もう、レースで失いたくないのです。
 
 ダニの回復が少しでも早くなって、地元GPに参戦できますように。
 
 そしてもう言いあきましたが、MotoGPの解説を宮城光さん単独にするのだけは、本当にもう勘弁してください。誰でもいいのであとひとり、ゲストで呼んでください。あんな質の低いたわごとが、一方的に押し付けられ、詳しくない方が変に洗脳されていくのは、日本の2輪レース界にとってもはや害悪でしかありません。
 ちなみに、中野さんがゲスト解説であったならば、つぶやいていらっしゃるような内容でフォローしてくれたでしょう(以下引用)

昨日のMotoGPフランスGPのペドロサとシモンチェリの件は、今後も後を引きそうな感じ。かぶせて抜きたいシモンチェリと、なんとか止まりたいペドロサ。あのコーナーはテレビで見える以上にタイトだから、フロントタイヤの前を横切られたら、ぶつかりますよね、普通。

 Moto2では、遂に高橋裕紀&MORIWAKIが調子を上げてきました。MORIWAKIの毎戦後の取り組みについては、今売っているライディングスポーツに詳しいのでぜひ読んでください。きっとユーキとMORIWAKIを見る目が変わると思います。